特別講演会
日時
2025年9月2日(火) 15:20~16:50
会場
会津大学 大講義室(講義棟1階)
講演タイトル
レジリエントなICTの実現を目指して
講演者
東北文化学園大学 工学部 知能情報システム学科 教授 / 東北大学名誉教授
情報通信研究機構 (NICT) レジリエントICTセンター R&Dアドバイザー
鈴木 陽一 氏
講演概要
情報通信技術(ICT)は社会を生体に例えれば神経網と捉えることができる。東日本大震災は,そのようなICTにも大きな被害をもたらし,避難警報,避難情報,安否確認,身元確認,復旧支援などの情報伝達・共有に多大な影響を与えた。この講演では,東日本大震災の被災者でもある講演者が震災後に取り組んだ自身の研究を,それまでの研究歴も示しながら紹介する。あわせて,情報通信研究機構(NICT)が震災の翌春に東北大学キャンパス内に設置し,活発な活動を進めているレジリエントICTセンターの研究成果,および,ICTのレジリエント化に関する様々な営みの一端を紹介する。さらには災害時の放送の役割に関する自身の考察を示したい。
講演者プロフィール
会津若松市生。
1981年東北大学大学院工学研究科電気及通信工学専攻修了(工博)。
東北大学助教授大型計算機センター等を経て1999年~東北大学教授 電気通信研究所,大学院情報科学研究科。
2017~21年NICT耐災害ICT研究センター長,2019年東北大学名誉教授。
2021年~東北文化学園大学工学部教授,NICTR&D アドバイザー(現在に至る)。
1988~89年ミュンヘン工科大学客員研究員。
2009~17年総務省情報通信審議会委員。
この間,聴覚とそれを含む多感覚情報処理過程に関する基礎研究と,その知見を生かしたディジタル補聴器,音信号電子透かし,聴覚ディスプレイ,屋外拡声高度化等の開発研究,等ラウドネスレベル特性の標準化(ISO226)等に従事。
米国音響学会フェロー,日本VR学会フェロー,電子情報通信学会フェロー,日本音響学会名誉会員。
志田林三郎賞,文部科学大臣表彰科学技術賞,NHK放送文化賞等を受賞。